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Sさんかななぶんのいち と読みます。基本は映画観賞記(ネタバレあり)、その他諸々の記録帳として。
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38.旅の果てに
ラフマニノフ ある愛の調べ 
Lilacs
 

 製作年:2007
 製作国:ロシア
 上映時間:96分
 配給:ギャガ・コミュニケーションズ
 監督:パーヴェル・ルンギン 
  脚本:マイケル・ドゥナエフ  スシンダ・コクソン パーヴェル・ギン
 キャスト:エフゲニー・ツィガノフ  ヴィクトリア・トルストガノヴァ  ヴィクトリア・イサゴヴァ
       ミリアム・セホン  アレクセイ・コルトネフ  イゴール・チェネヴィチ
 

1920年代、ロシアの天才音楽家セルゲイ・ラフマニノフは亡命先のアメリカで成功を収めていた。
しかし彼の心は望郷の念と多忙さにより疲労し、作曲ができなくなっていた。
そのことで苦悩する彼の元に送り主不明で届いたライラックの花束を見て、彼は故郷でのさまざまな
想い出をめぐらせる。


ラフマニノフとかリストとか、一生かけても弾けないイメージがあります。
8年も習っておりましたが、才能はどこにもありませんでした。

モチーフになっているライラックの花というのは、ラフマニノフが好きな花で、
一時期彼のコンサート会場にその花束が実際に匿名で届いたりしたことがあったよう。
ラフマニノフの紡ぐ旋律のようにドラマチックでロマンチック。
そこから着想して膨らませていった物語、ロシア時代の映像がとてもきれいでうっとり。

宣伝で謳われたように彼が音楽のために女性を愛す(ので浮気ものの破滅型)という、
ドラマチックでロマンチック路線では決してなかった。アンナもマリアンナもナターシャ以前の恋だし。
ライラックの送り主も映画では特に謎ではない。

音楽の神様に愛されたラフマニノフ。演奏家史上屈指のヴィルトゥオーソであり、
作曲の才にも恵まれた。その道で名声を得て生きていけた幸せな人。
かたや幼くして一家離散の憂き目に会い、初恋は悲惨なほどに実らず、
革命後は祖国を追われ、世界的な成功も彼の心のやすらぎを与えず……
でも幸せな人。外から見たら随分と。
ラフマニノフがひとり勝手に知らないところで苦しんでいるときにも、
妻ナターシャは常に彼を支えてくれていたし、晩年住んでたところはビバリーヒルズなんだもの。
不幸なのはナターシャの婚約者だったお医者さんです。彼はほんとにかわいそうだなあ。
映画(外国映画) 05:02 - -
37.共に未来へ落ちて逃げなん
落下の王国 
The Fall
 

 製作年:2006
 製作国:インド・イギリス・アメリカ
 上映時間:118分
 配給:ムービーアイ 
 監督:ターセム・シン 
  脚本:ダン・ギルロイ  ニコ・ソウルタナキス  ターセム・シン
 キャスト:リー・ペイス  カティンカ・アンタルー  ジャスティン・ワデル
       ダニエル・カルタジローン  マーカス・ウェズリー  ロビン・スミス  


無声映画のスタントマンであったロイは、撮影中の大怪我が元で半身不随に。
さらに主演俳優に恋人を奪われ、生きる望みを失い、なんとかして自殺しようとしていた。
そんな彼の前に現れたのは、オレンジの収穫中に腕を骨折して入院中の東欧移民の少女
アレクサンドリア。ロイは彼女を使って自殺のためのモルヒネを手に入れようと思いつく。
彼はアレクサンドリアの気を引くために、壮大な寓話を思いつくまま聞かせることになる。
愛する者や誇りを失い、深い闇に落ちていたブルー・バンデットを中心とした6人の勇者達が
力を合わせ悪者に立ち向かう愛と復讐の物語は、少女を夢中にさせ希望を与え、
彼女のそんな姿にロイ自身にも変化をもたらす。



主演俳優の立派な眉毛に目が行ってしまうわけですが…


現実は、ロイにもアレクサンドリアにもちょっとつらいから、
ふたりの夢はいつしか同化して(アレクサンドリアがちょいちょい口出しする)、
一緒になって現実逃避をしている場所である寓話の世界。
そのイマジネーションが単純にすごいなあーと。
監督の自己資金投入(何十億というおはなし)、撮影4年のたわもの。

ほんとにしぬほどつらい、って思うことはきっと人生に何回もあると思う
わたしは単なる腹痛でもよくそう思ってる。
でもしぬほどつらい、ってそういう暗い感情を持ち続けるのもしんどいよね。
終わらせてしまいたい、と思うのも、流れとして自然なこと。

でも人って言うほどそう簡単に終われない よ ね?
ロイだってモルヒネに頼らなくても、ほんきのやるきにさえなれば
どうとでもなったはず…

寓話の勇者の中で、ロイの分身であるブルーバンデットは生き残る。
勇者のひとりミスティックが「我々の中の唯1人だけが生き残ることになるだろう」と
予言した通りに。
ロイは逃げ出した夢の中ですら自分を終わらせられない。

現実から目を逸らして逃げる先にもどの方向からでも現実はつながっている。
にげてにげてにげてなんもかんもいやだからまたにげてにげまくっても、それは
現実を終われないという本能的な気持ちの自然発火を待って遠回りをしているだけで、
進んでないわけじゃないんだ

がむしゃらに現実にぶつかる方が早死フラグな気がする…こころがぱっきり逝きそうで。

あときっとロイの場合夢まで共有する直球勝負のアレクサンドリアがいてくれて、
いつもひとりじゃなかったのも大きいよね。


瑣末なことだけど、ロイとアレクサンドリアのいる現実世界の誰が寓話世界の誰なのかが
いまいちよくわからなかったな(氷配達人はすぐわかったよ!)
映画(外国映画) 05:01 - -
36.男はつらいね
ディパーテッド 
The Departed
 

 製作年:2006
 製作国:アメリカ
 上映時間:150分
 配給:ワーナー・ブラザーズ 
 監督:マーティン・スコセッシ 
  脚本:ウィリアム・モナハン
 キャスト:レオナルド・ディカプリオ  マット・デイモン  ジャック・ニコルソン  
      マーク・ウォルバーグ  マーティン・シーン  ヴェラ・ファーミガ


通称で「サウシー」と呼ばれるボストン南部。ここはありとあらゆる犯罪が蔓延する地域だった。
警察はそこを牛耳るアイリッシュ・マフィアを内部から崩そうと、新人警官ビリー・コスティガンを
組織へ潜入させる。
一方マフィアのボス コステロは警察へのスパイとして、幼い頃から目をかけていた
コリン・サリバンを送り込んでいた。
素性をひた隠しにし潜入生活を続けるビリーとコリンだったが、やがて警察もマフィアも
内通者の存在に気づき、どちらもその正体を突き止めようとする。
香港映画「インファナル・アフェア」リメイク。第79回アカデミー賞作品賞受賞作。


なんとなく始まったレオ様フェス第二段(第一弾はシャッター アイランド)
シャッター アイランド以上の長尺だったけれど良かったよ悲哀感じる男のドラマ。
冒頭のストーンズのGimme Shelterがほんとかっこいいと思うんだ…
これは香港本家も観ないとな!トニー・レオンだし!!

アイルランド系アメリカ人(カトリック)は、親子代々警察とか軍人とか消防士とかになる人が
多いらしい。それは歴史的、そして社会背景上必然的なことだと…めんどくせーなアメリカは……
親戚に犯罪者がいると日本だと警察という職にも就けないんだよね。
アメリカはそのへんはおおらかだな。でもそのへんをちゃっかり利用されるビリー。

よろしくない環境の中、まっとうな道に進まんと悪を取り締まる職に就こうとしたのに、
職務とはいえ意思に反してそこから転落せざるを得なくて、
しかもいつ正体がばれるかもしれないいつ終わるとも知れない緊張を何年も強いられて
自分を見失いそうで…、ってレオ様かわいそう!やばいこのひと絶対破滅してしまうって雰囲気に
うっかり恋しそう!
ヒロインたるヴェラ・ファーミガ自身の魅力はよくわからなかったけど、悩めるレオ様に
きゅーんと何かが疼いていたしてしまった気持ちには思いっきりシンクロ。

かたやマット・デイモン。この人はこの人で悩むけど、いいじゃない転職先が裏街道じゃないんだもの。
それでお前だけ最後まで逃げ切ろうなんて許すまじーーー(忘れてた人より制裁が下ってスッキリ)
と、レオ様サイドに立ってしまった個人的見方ではニコルソンよりずっとわるいやつだった。

The Departedって『故人』『死者』と言う意味でカトリック系で使われる言い回しだそう。
双方後には余韻すら何も残さないでただの「終わり」
人の生き様なんて、終わってしまえば過程も状況もあとは記憶のかなたへ行ってしまう。
ハッピーもアンハッピーもないハードボイルド。
潜入させられた時点で、もともとの人生は終わっていたんだしね。

あ、忘れてた人はまだ残ってたか。
どうなるんだろうな彼の着地点。
映画(外国映画) 04:24 - -
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